セレウコス朝シリアの滅亡年について

セレウコス朝シリアとは

セレウコス朝シリアは、アレクサンドロス大王の死後、その後継者であるセレウコス1世によって紀元前312年に成立したヘレニズム王国です。この王国は広大な領土を支配していましたが、内紛や外敵の侵攻により次第に衰退していきました。

滅亡の年についての議論

セレウコス朝シリアの滅亡年については、紀元前63年と紀元前64年の両方の記述があります。これが混乱を招いている理由は、ローマの将軍ポンペイウスによる征服の過程にあります。

紀元前64年の滅亡説

紀元前64年説は、ローマのポンペイウスがシリアに侵攻し、セレウコス朝の最後の王アンティオコス13世を追放した年に基づいています。この年をもって、セレウコス朝の実質的な支配は終わりを告げました。

紀元前63年の滅亡説

紀元前63年説は、ポンペイウスが正式にシリアをローマ帝国の属州とした年に基づいています。この時、セレウコス朝シリアは完全に消滅し、ローマの支配下に組み込まれました。

結論

セレウコス朝シリアの滅亡年は、視点によって紀元前64年または紀元前63年とされています。実質的な終焉は紀元前64年のポンペイウスによる征服であり、公式に滅亡と見なされるのは紀元前63年のローマ属州化の時点です。そのため、どちらの年も正しいと言えますが、公式な属州化を滅亡とする場合は紀元前63年が正解となります。