大正後期から昭和初期は、日本の社会や文化が急速に変化した時期です。その中で恋愛結婚は珍しかったのでしょうか?質問者の方が挙げた将校さんとその奥様のように、相思相愛で結婚した例もありますが、その時代の結婚にはさまざまな背景が存在します。この記事では、大正後期〜昭和初期における恋愛結婚の実態や文化的背景について考察します。
大正〜昭和初期の結婚観: 恋愛結婚とお見合い結婚
大正時代から昭和初期にかけて、日本では恋愛結婚よりもお見合い結婚が一般的でした。これは、社会的・経済的な背景に大きく影響されており、家族や親の意向が強く反映されることが多かったためです。また、特に上流階級や士族の間では、結婚を通じて家同士の繋がりや社会的地位を強化することが重要視されていました。
一方、恋愛結婚が完全に珍しかったわけではありません。大正時代後期から昭和初期にかけては、都市部での西洋文化の影響を受けて、若い男女が自分たちの意志で結婚を決めるケースも増え始めました。しかし、恋愛結婚は依然として少数派であり、多くは家同士の合意による結婚が主流でした。
映画やデート文化の影響
大正後期から昭和初期は、映画や劇場が大衆文化の一部として広まり、若い男女がデートをする機会も増えました。映画は特に恋愛映画が人気で、その影響を受けて恋愛の理想像が広まりました。この時期、映画館やダンスホールでのデートは一部の若者の間で一般的になり、恋愛結婚の芽生えに影響を与えました。
このようなデート文化が広がる中で、質問者が挙げた将校さんのように、恋愛を通じて結婚に至る例も増えていったと考えられます。しかし、結婚に対する考え方は家庭の状況や社会的な背景により大きく異なっていたことも事実です。
恋愛結婚が少なかった理由と時代背景
恋愛結婚が少なかった背景には、戦争や社会情勢の影響が深く関わっています。特に昭和初期は、日中戦争や第二次世界大戦など、国家的な緊張が高まり、社会全体の価値観が変わりつつありました。結婚は家族や社会の安定を保つための重要な要素とされ、恋愛よりも家族間の調整が優先されることが多かったのです。
また、当時の日本社会はまだ封建的な側面が強く、男女間の自由な交際が制限されることもありました。これらの要因が相まって、恋愛結婚が少なかった理由として挙げられます。
いとこ同士の結婚: 当時の親族婚の習慣
質問者が触れた「いとこ同士の結婚」という点も、当時の結婚の特徴の一つです。大正後期から昭和初期にかけて、日本では親族間での結婚が一般的でした。特に、身分や家柄を重視する家族においては、親戚同士の結婚が多く見られました。
いとこ同士の結婚は、血縁関係が近いため、家族同士の結びつきを強めるとともに、財産や家系の維持にも有利とされました。恋愛感情だけでなく、家族間の調整や安定も結婚を決定する大きな要因となっていたのです。
まとめ: 恋愛結婚と時代の変化
大正後期から昭和初期の結婚は、恋愛結婚が少なかった時代でしたが、社会情勢や文化の変化により、恋愛結婚を選ぶ人々も増えていきました。特に都市部では、映画やデート文化が恋愛感情を育む土壌を作り、恋愛結婚の形も徐々に広がりを見せました。しかし、家族や社会的な背景が大きく影響していたため、恋愛結婚は依然として珍しい存在でした。


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