ロシア内戦における元ロシア帝国軍人の動向:赤軍 vs 白軍

世界史

ロシア内戦は1917年から1923年にかけて起こり、赤軍(ボリシェヴィキ)と白軍(反革命軍)という二つの勢力が争いました。この内戦において、元ロシア帝国軍の兵士たちはどちらの軍に多く参加したのでしょうか?この記事では、元ロシア帝国軍人が赤軍と白軍にどのように分かれたのか、また将校と一般兵士の立場がどう異なったのかを解説します。

1. ロシア帝国軍の将校と赤軍・白軍

元ロシア帝国軍の将校たちは、内戦の初期において白軍側に多く参加しました。白軍は主にロシア帝国の伝統的な軍事的価値観や体制を支持しており、帝政復古を目指していたため、帝国軍出身の士族や貴族出身の将校が集まりました。

一方で、赤軍側は最初、非常に未熟で、指導者を欠いた状態でしたが、次第にロシア帝国軍の将校たちを取り込んでいきました。特に1918年以降、赤軍はその指揮系統を強化し、多くの元帝国軍の将校や指揮官が参加しました。これにより、赤軍は戦術的に優れた指導力を得て、白軍に対抗する力をつけました。

2. 一般兵士の参加状況

一般兵士に関しては、白軍と赤軍への参加状況は将校ほど明確ではありませんでした。赤軍には、労働者や農民を中心とした新しい兵力が多く参加していたため、元ロシア帝国軍の兵士がすべて白軍に加わったわけではありません。

また、赤軍は「戦争コミューン」の思想に基づいて、新たな兵士を積極的に動員しました。そのため、元ロシア帝国軍の兵士も多く、特に戦争の進行とともに、赤軍は元帝国軍の兵士を戦力として取り込みました。最終的には、赤軍の兵力は急速に強化され、白軍に対して戦争を有利に進めることができたのです。

3. 内戦後の軍人たちの帰属とその影響

ロシア内戦が終結した後、多くの元ロシア帝国軍人は白軍に参加していたものの、赤軍に参加した者も少なくありませんでした。内戦終了後、赤軍側は元帝国軍将校を一部受け入れ、その知識と経験を活かしました。これにより、赤軍は組織的に強化されました。

また、白軍側は帝政復古を目指し、その活動が続けられることもありましたが、結局は赤軍の勝利によってその勢力は衰退していきました。しかし、帝国軍兵士たちの多くはその後、国外に亡命するか、または白軍と共に活動を続けることとなりました。

まとめ

ロシア内戦において、元ロシア帝国軍人は主に白軍に参加しましたが、戦局が進むにつれて赤軍も多くの元帝国軍の将校や兵士を取り込むこととなりました。赤軍は初期の未熟な状態から成長し、最終的に勝利を収めた一方で、白軍は帝政復古を目指して活動を続けました。一般兵士に関しては、赤軍と白軍の両方に参加する者が多く、戦争の進行によってその動向も変化しました。

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