大学で日本史を専攻している学生にとって、卒業論文は大きな挑戦となります。特に中世史を研究する場合、その広範なテーマから、具体的で興味深い題材を選ぶことが重要です。この記事では、卒論テーマの選び方や、研究を進めるためのアドバイスをお届けします。
1. 卒業論文の基本的な進め方
卒業論文を執筆する際、最初に行うべきはテーマの決定です。自分の興味があるテーマや、研究できる資料が整っている分野を選ぶことが大切です。日本中世史を研究するのであれば、南北朝や鎌倉時代の政治史、またはその文化面に焦点を当てた研究が有望です。
テーマを決めたら、次に必要なのは資料集めです。図書館や学術データベースを駆使して、信頼できる資料を集め、研究の土台を作りましょう。研究の進行中は、指導教員との連絡を密にし、フィードバックをもらいながら進めることが重要です。
2. テーマ選びのポイント:南北朝時代 vs 鎌倉時代
南北朝時代と鎌倉時代は、それぞれ異なる社会構造や政治背景を持っています。南北朝時代は、武士の力が強まる中での内戦とその後の統治がテーマです。鎌倉時代は、初の武家政権が成立した重要な時期で、政治史、軍事史、さらには文化面にも注目する価値があります。
もし、どちらの時代にしようか迷っている場合、あなたの興味がどこにあるのかをもう一度考え直してみてください。南北朝時代の政治的な混乱を分析するのか、鎌倉時代の統治システムや武士文化に焦点を当てるのか、研究の方向性を見極めることが大切です。
3. 面白い題材:中世の服飾史や文化面
卒業論文で「服飾史」を扱うことは、確かに難しいかもしれませんが、十分に面白い題材です。中世の服飾や文化に関する資料は限られていますが、仮名草子や絵巻物など、当時の服飾を描いた資料を使うことで、独自の視点を提供できます。
服飾史に焦点を当てる場合、社会的地位や武士、庶民の衣服にどのような違いがあったのか、または衣服がどのように文化や政治に影響を与えたのかを探ることができます。史料が少ない分、慎重な調査と独自の視点が求められます。
4. 論文で求められるオリジナリティと発見
卒業論文で最も重要なのは、オリジナリティを持った視点を提供することです。「自分で発見したこと」や「新たな解釈」を示すことが求められますが、これは必ずしも全く新しい発見を意味するわけではありません。多くの研究者が扱ったテーマでも、視点を変えたり、資料を再解釈することで新しい発見が生まれることがあります。
例えば、鎌倉時代の政治史について、一般的な解釈に対して別の視点を提案することができれば、十分にオリジナルな論文となります。大きな発見がなくても、細かい視点の違いを見つけることが学術的には大切です。
5. まとめ:卒業論文の進め方と成功の秘訣
卒業論文は、自分の研究成果を表現する大きな機会です。興味を持っている時代やテーマを選び、十分な資料を集め、計画的に執筆を進めることが大切です。また、オリジナリティを出すためには、既存の研究を批判的に読み解く力や、新しい視点を提供することが求められます。
最後に、卒業論文の成功には時間がかかることを忘れずに、計画的に進めることをお勧めします。しっかりとした準備と指導教員とのやりとりを通じて、充実した卒論を書き上げましょう。
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