日本の歴史において、最も古い書物とされるのが『古事記』と『日本書紀』です。しかし、それら以外にも『風土記』と呼ばれる地域の地誌が存在し、一部のものは非常に古い成立時期を持っています。この記事では、『古事記』『日本書紀』『風土記』の成立時期や内容、そしてそれぞれの歴史的意義を比較しながら、「日本で2番目に古い書物とは何か?」というテーマを掘り下げます。
最古の書物は『古事記』か?
日本最古の書物として一般的に知られているのが『古事記』です。成立は712年(和銅5年)、太安万侶によって編纂されました。内容は神話や伝承、天皇家の系譜を中心に、日本の成り立ちを記録した歴史書です。主に神話や伝説の色が濃く、文体も当時の日本語を用いており、日本文学の原点ともいえる存在です。
『古事記』は、あくまで宮廷の口承伝承をまとめた書であり、その意義は文学的・信仰的側面が強い点にあります。
『日本書紀』は2番目に古いのか?
『日本書紀』は720年(養老4年)に完成したとされ、編纂は舎人親王らが担当しました。内容は『古事記』と似ていますが、漢文体で記述され、中国の正史にならって体系的に国家の歴史をまとめようとした意図が見られます。そのため、より「公的記録」としての性格を持っています。
『日本書紀』は『古事記』よりも後に成立していますが、構成や表現が洗練されており、国際的な正史の役割を担うように意図された点が特筆されます。
『風土記』は『日本書紀』より古いのか?
『風土記』は元明天皇の命により713年(和銅6年)から各国に提出が命じられた地誌です。つまり、『日本書紀』よりもわずかに早く作成が開始されたという点では、部分的に『風土記』の方が古いとも言えます。
ただし、現在までに完全な形で残っている風土記は『出雲国風土記』(733年頃)のみであり、その他の国の風土記は断片的です。内容はその国の地形・伝承・特産物などを記録したもので、歴史書というよりは地域文化資料という性格が強いです。
それぞれの書物の歴史的位置づけ
『古事記』『日本書紀』『風土記』は、それぞれ性格や目的が異なるものの、奈良時代初期の国家による「記録」の試みとして非常に価値があります。
書名 | 成立年 | 特徴 |
---|---|---|
古事記 | 712年 | 日本最古の歴史書。神話色が強く、日本語で記述。 |
日本書紀 | 720年 | 正史的性格。漢文体。中国の影響を受けた構成。 |
風土記 | 713年以降 | 各国の地誌。地域ごとの伝承や地理情報を記載。 |
このように、単純に「成立年」だけではなく、「文書としての目的」や「内容の性質」も加味することで、それぞれの書物の意義をより深く理解することができます。
まとめ:日本書紀は2番目に古い?風土記との比較から見る答え
『古事記』(712年)が最古の書物であることはほぼ定説ですが、『日本書紀』(720年)が2番目かというと、視点によっては『風土記』(713年以降)を「2番目に古い」と捉えることも可能です。ただし、現存する風土記の多くはそれ以降に成立したものであることや、記録の性質が異なるため、一般的には『日本書紀』が2番目に古い歴史書として認識されています。
そのため、「書物」としての一貫性や完成度を重視するのであれば、『古事記』、次に『日本書紀』、そして地域性に特化した『風土記』という順序が最も妥当だと言えるでしょう。
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